読書感想文

今起きました、DAIですおはようございます。
さて、今回はこちらです。普通に面白かった。
コールドゲーム (新潮文庫)
コールドゲーム 著者/荻原浩

高3の夏、復讐は突然始まった。
中2時代のクラスメートが一人、また一人と襲われていく。
犯行予告からトロ吉が浮かび上がる。
四年前、クラス中のイジメの標的だったトロ吉。
だが、転向したトロ吉の行方は誰も知らなかった。
光也たち有志は「北中防衛隊」をつくり、トロ吉を探し始めるのだが――。

青春ミステリサスペンス小説、ですね。面白かったです。
一人、また一人と襲われていき、その犯人を捜し出そうと奮闘する高校生たち。
ただそれだけの筋書きで、よくもまあここまで肉付けをしたものです。


この小説は、まず自分の内面に語りかけてきます。
恐らく誰でもが一度は関わったであろう「イジメ」をテーマにしています。
そして、クラスメートが襲われて行ったとき、恐らく自分と同じ様な誰かが襲われてしまう。
なんかこう、自分自身の暗闇を見せつけられている感覚になる物語です。
ただ、そういう暗い雰囲気だけじゃなくて、高校生がいわば「探偵ゴッコ」をしながら犯人を追うというサスペンス部分は、高校生独特の青臭い高揚感みたいな雰囲気も持っていて、それが全体の雰囲気を軽くしてくれています。
ラストもしっかり納得できる終わり方をしています。
若者らしく、でも以前よりは前を向いて。そんな終わり方は、ベタかもしれませんが良い終わり方でした。


面白かった、だけではなくて、なにやら自分に投げかけてくる。
そんなものを持った小説でした。