読書感想文

覚悟しろ、DAIですこんばんわ。
今回僕は小説叩きますよー。僕はこういうのキライ!って感じ。
牙をむく都会〈上〉 (C・NOVELS)牙をむく都会〈下〉 (C・NOVELS)
牙をむく都会 著者/逢坂剛

行きつけのバーで出会った女は、業界最大手の広告会社の社長だった。
彼女の依頼で、現代調査研究所所長・岡坂神策は、映画祭プロジェクトのPRを手がけることに。
一方、新聞社が主催するスペイン内戦シンポジウムのコーディネーターも引き受ける。
二つの以来の背後から、戦後史の重大な疑惑が浮上する。

歴史の闇を追うサスペンス小説です。
二つの依頼の背後には、それぞれ闇があり、その狭間で闇を探ろうとする主人公の話。
その闇を追う、という展開や文章は面白いのですが、さて。


まず主人公に魅力がない。下手に著者の分身になってしまっているためでしょう。平凡な人物にした方が良かったんじゃないだろうか。
次に、いらないウンチクが多すぎます。この小説の煽りの通り、映画祭について描写されるわけですが、この時に古い西部劇映画の知識がバリバリ出てくるわけです。興味ある人ならいいが、興味のない私にしてみればそんな文を追うのは苦痛以外の何者でもないです。作者の好みであることはわかりますが、だからといって新しい映画はダメ、と烙印を押してしまっているあたりどうよ、とか思ってしまいます。
これは、実はスペイン内戦にも言えます。確かに私はスペイン内戦の知識はないのですが、だからといって興味があるわけじゃない。これまたくどくど語られているのでどうも間延びしてしまっています。
さらに、脇を固めるキャラクター達。例えば、映画祭を主催する大手広告会社の相談役は、ただの好々爺ではない感じが出ていてサスペンスにふさわしいキャラクターです。ですが、その相談役に対して敵対している一人の老人がいるんですが、その老人が私は非常に気にくわない。自分の意見しか言わないキャラクターで、どう考えても老人の行動はウザく感じてしまうというのに、結局ラストではいい目を見て終わっています。


とまあ、今回は批判ばっかり出てきますねぇ。
筋書きだけなら面白い、けど余計な肉付けしすぎたがためにダメになってしまった作品、といったところでしょうか。