読書感想文

お昼過ぎにこんにちわ。
書くことが読書感想文中心という「本来の姿」を取り戻しつつあるDAI DIARYです。
今回読んだ本はこちら。
火怨 上 北の燿星アテルイ (講談社文庫)火怨 下 北の燿星アテルイ (講談社文庫)
火怨−北の燿星アテルイ− 著者/高橋克彦

辺境と蔑まれ、それゆれに朝廷の興味から遠ざけられ、平和に暮らしていた陸奥の民。
八世紀、黄金を求めて支配遷都する朝廷の大軍に、蝦夷の若きリーダー・アテルイは遊撃戦を開始した。
北の将達の熱い思いと民の希望を願って。

アテルイという東北の蝦夷の生涯を描いた歴史小説
日本が天皇による統治を受けていた時代の、朝廷に対して誇りを守るために戦いを挑んだ蝦夷達の戦いの日々。
正直、ここまで面白いとは思わなかった。
勿論、構図の面白さもある。「弱者が強者に立ち向かい、智恵と勇気で勝ちを得る」という構図は絶対に面白い。
ただ、一つ一つの戦には、それぞれの人間ドラマが凝縮されているのです。
武士としての誇り、蝦夷としての誇りを以て戦う彼らの姿には、正直心打たれるもの。
それこそがこの小説の面白みであると思います。


「血が通っていて脈付いている」とでも表したくなるほど、圧倒的な力のある作品でした。