小説感想文

闇先案内人 上 (文春文庫)闇先案内人 下 (文春文庫)
闇先案内人 著者/大沢在昌
追手の届かない闇先へ。過去も本名も捨てて生きる「逃がし屋」葛原に託された重要人物の行方。国際政治の表と裏、追いつ追われつ、プロの誇りをかけた凄絶なる死闘の幕が上った。
と、このようなあらすじで始まる物語ですが、どうにも話が複雑でした。
その複雑怪奇具合をギミックにしているのかと言えばそうでもないのですが、ネタを小出しにして読者を引きつけているという点は面白かったと言えます。
とは言え、重要な「逃がし屋」としての活躍や活動のシーンが冒頭だけ、というのは少なすぎたかも。そこをもっと見せてくれれば、もっと物語に深みが出たと思います。
スケールは大きいのですが、風呂敷を広げすぎた感もあり、ちょっと残念でした。
総評としては、手放しでオススメは出来ないが、面白い部類の話、ってことで。
……う〜ん、今回の感想文は、ちょっと厳しかったかな。