小説感想文

スパロボばっかやってるわけじゃないんですよ。
いやまあ、廃人寸前ですけどね。
熱域(ヒートゾーン) (小学館文庫)
熱域−ヒートゾーン− 著者/森真沙子
とまあ、こんな作品読んでみました。
まああれだ。最近暑いから、ぴったりかと。
何も考えてませんけどね。
以下あらすじ

メガロポリス東京を多う炎熱の夏。
ヒートアイランド現象下に人体自然発火は起こりうるのか
弟の焼死の謎を追う気象予報士の姉を襲う、天変地異の因果関係は。
人体自然発火現象の謎を追う、サスペンスストーリー。

で、感想です。
この作品の面白いところは、自然発火現象をモチーフに描かれている所でしょう。
実際、この問題は科学的には解明されていないことですし。
自然発火現象を小説で取り上げ、その原因を探る場合に最も多いのが念力発火能力(パイロキネシス)でしょうか。
事実、私はこの作品を手に取る際、宮部みゆきの「クロスファイア」が頭をよぎりました。
しかし、この作品はそういった可能性についても言及しているものの、どちらかと言えば科学的な解明を示しています。
まず一つ目が人為的なもの。小中学校の理科室で手に入るような物質で、人体を発火させている、という説。
もう一つが、様々な要因によるもの。ヒートアイランド現象、飲料水の成分、鏡面状のビルなどをファクターとする説。
小説を読んでいて違和感を覚えなかったのは、どちらも現実に起こりうるからでしょうか。
ですが、物語自体はというと、この二つの説を提示しながら物語中でどちらの説が合っていたのかという検証がされていません。
人によっては、その方が面白みが増すと言うのでしょうが、私はそうは感じませんでした。
どうにも、まだ閉じていない感じがしまして。
統括すると、中の上って評価です。面白くない訳じゃないんですが、ラストが弱い。
物語の締めは、きちんと閉じた方がいいと思うんですよ。