以下ネタバレ

私はシナリオライターというストーリーテラーを目指しているので、どうしてもストーリーに目がいきます。
映画も小説も好きなのは、物語に触れることが好きでたまらないからですし。
ストーリーは簡単に言えば。

100万年以上前から地球侵略を企ててきた宇宙人が地球を支配しようとついに動き出し、人々を殺戮していく。
だが結局、宇宙人達にとって、地球に済む微生物たちが毒であったために、宇宙人達は全滅していく。

という話。
ストーリーの良いものを見た(もしくは読んだ)後の爽快感は、はっきり言って皆無。
私の基準で言えば、終盤はムリヤリ感が強く、それ故ラストもパッとしないものに成り下がってしまったというところでしょうか。
ですが、ノリの話によると、私の見方は間違っていたようです。
スティーブン・スピルバーグが目指したのは、ストーリーではなく恐怖。
それを言われて、ようやく納得がいきました。
冒頭から、異常気象による落雷のシーン、人々が光線によって灰に変わっていくシーン、さらに、地下室で宇宙人に見つかりそうになるシーンなど、スリル満点のシーンが連続しています。
恐怖を純粋に描き切ったという点では、まさしく最高峰でしょう。
それに拍車をかける役者陣の演技。
特に、女の子の金切り声などは堂に入ったもので、臨場感を与える素晴らしい演技でした。
総括すると、ストーリーで見るべきものではなく、スリルを味わうという点において特化した映画。
体感する恐怖はそんじょそこらの映画では足下にも及ばないものの、ストーリー性だけを見るなら他の作品には及ばない。
総合で評価するなら、五段階中「4」の評価。
スピルバーグ監督の描きたかった恐怖が良くできている分、これでストーリーが良かったらと思うと残念でなりません。